えむ猫とひとりごとの延長

群馬のご当地かるた「上毛かるた」の紹介。

「ぬ」 沼田城下の塩原太助(ぬまたじょうかの しおばらたすけ)

群馬の偉人シリーズ第3弾。

塩原太助は江戸時代の中頃、上州利根郡(現在の郡馬県みなかみ市)沼田城*1に生まれ、18歳で江戸へ出て炭屋で奉公し後に独立。炭団〔たどん:木炭の粉につなぎ(海藻)を混ぜて固めたもの〕を発明し大成功、大金持ちになった人。晩年も質素に暮らし、私財を投じて道路改修や復興事業などを行ったという。

太助のサクセスストーリーは、落語や読みものとして明治時代に大人気となり、戦前には教科書にも載った程。
落語の「塩原多助一代記」はどこまでが事実かわからない程劇的な話になっている。
江戸に向かう太助と愛馬「アオ」との別れは、上毛カルタの絵札や銅像になるほどの感動シーン。命を狙われた太助を助ける賢い馬アオ。太助が江戸へ行った後、太助を殺そうとした悪者を蹴り殺すとか、やるときはやる馬。

太助の発明した「炭団(たどん)」。炭のくずや粉をまるめて作ったもので、昭和中期頃までは暖房、調理の燃料としてどの家庭でも使われていたそうだ。
なぜその名前になったのか。太助が昔「たーどん」と呼ばれていたからだそうで、ほのぼのネーミング。

*1:戦国時代後期から江戸時代初期にかけて真田氏の沼田領支配の拠点として機能した沼田藩の城。